清王謝石
最も有名なラネーメ古論のひとつです。
燐帝字母を統一したラネーメ(アレス王朝)の清王が自分を転ばせた石にも気遣いを見せたという逸話をもとに、クレオスという国の王様が転んだ時に助けなかった侍従を責め立てたことで人材がいなくなってしまったという話と対比する形で謙虚な心の重要性を語ってくれます。
原文
燐字表記
清王在羅国。或日足撃傾。付人心言御王「汝善乎?」王反言「我善。而石噫。汝善乎?」
或呉王足撃傾。王奮言付人「無助我。此何故?」下日王家人無。王而奮此悪件咍!
漢字転写
清王在羅国。或日足撃傾。付人心言御王「汝善乎?」王反言「我善。而石噫。汝善乎?」
或呉王足撃傾。王奮言付人「無助我。此何故?」下日王家人無。王而奮此悪件咍!
訳文
日本語訳
リン王はラネーメの国にいた。ある日、(王は)つまづいて倒れた。付き人は王のことを心配して「大丈夫ですか?」と言った。王は「私は無事なのだが、石よ、お前は大丈夫か?」と返答した。
あるクレオスの王も足につまづいて倒れた。王は怒りながら、「私を助けなかったのはどうしてか?」と付き人に言った。後日宮廷に人が来なくなった。王であろうとも奢ることは悪いことなのだなあ。
書き下し文
清王羅の国に在り。或る日、足撃ちて傾る。付き人心て御王に言ふ、「汝善き乎?」王反して言はく、「我善し。而ども石噫。汝善き乎?」
或る呉王足撃ちて傾る。王奮りて付き人に言ふ、「我を助け無。此何故か?」下の日王の家の人無し。王たれ而奮るは此悪しき件咍!