[燐字紹介]今日の四文字:百星散心

今日は、「百星散心」を見ていこうと思います。これは「百年で(普通の人は)亡くなる」という意味のフレーズになっています。それぞれの文字を見ていきましょう。

」:意味は「百、100」、パイグ音はkit1(キーット)、アイル音はkita(キタ)です。燐帝が文字を整理するまでは、「大きい」という意味の「」の字が100という意味でも使われていましたが、当時から明確化のために「とても」という意味の「」をくっつけた形、およびそれを略した「」をくっつけた形がよく用いられていました。「」のパイグ音はkit(キット)、アイル音はkitu(キトゥ)であり、「百」の意味の単語と発音が近しいので、それを「」にくっつけることで明確化がなされたわけです。燐帝の字形整理時には略されたほうの「」の字体が採用され、この形が現在まで引き継がれているわけです。

」:パイグ語では「星、年」の意味で、発音はpet2(パゥーット⤴)です。地面を覆っている天をかたどった「」に対し、そこに浮かんでいる点状のもの、つまり星を象った字が「」です。このように、この字の元の意味は「星」で、実際「日星」kia1 pet2(キアー パゥーット⤴)「太陽」などではこの「星」の意味を保っていますが、現在では「年」の意味を表すのにこの文字を用いることが多いです。

」:「散る、散らす」といった意味を持ち、パイグ音はco1(ソーゥ)、アイル音はocou(オソウ)です。4つの点を書き、「散らばる」さまを表した字だとされています。「」は「上」という意味で、「」は「開く、開ける」という意味なので、それを組み合わせて箱の上が開いていて粉が散るさまを表している、という異説もありますが、あまり根拠のない俗説だとされています。

」:原義は「心」ですが、パイグ語 hia1(ヒアー)やバート語 rijúḷ(ルリユール)においては「~したい」という意味でも用いられます。ここでは「心」の意味で、直前の「」と組み合わさって「心を散らす」という意味になりますが、これは「死ぬ」の意味の婉曲表現です。字の形は、「人」という意味の「」の中央部を強調したもので、心動かされるときに躍動する心臓の位置を表すことで心の意味を表現したものです。